町田市の和光大学ポプリホール鶴川との共催で、修復の要素をとりいれたブラックライトのワークショップを開催しました。
”完全に真っ暗になる”という多目的室の特徴から発想して企画が立ち上がった、ブラックライトで素材を探求するワークショップ。光と色の見え方の不思議をコンサバターの視点を通して子どもたちに体験してもらいました。
コンサバターの仕事では、過去の修復箇所を見つけたり、使われた素材の推測、または汚れやコーティングなどを発見するために紫外線のライトを使用します。
今回は事前に数か所修復した陶器を用意し、それをみんなで観察してみました。
青や黄色に光るところ。。裏になにやらオレンジに発光するところ。。
ブラックライトを使ったことのない子がほとんどです。紫外線が直接目に入らないように、紫外線カットの防御メガネをつけました。ちょっとみんな始めは恐るおそる。。
”紫外線によって、違う素材は違う色に発光する” という驚きと面白さを味わったのちに、次はさまざまな素材をペンタイプのブラックライトで探究してみました。
まとまるくんの消しゴムがなぜかとても青く光る
同じ木のビーズだけどピンクだけ明るく発光する
布は光らないけどそれについた埃が青く光る。。
”ぐるぐるタイム”と名付けた探究時間に、みなさんぐるぐるいろんな素材を観察しました。
今回のワークショップ、そのあとは観察した素材をつかって工作です。
それぞれのテーブルに置かれた紙皿と紙コップに、使いたい素材をビュッフェスタイルで持っていきます。
「想像のいきもの標本をつくる」というテーマで、昆虫の羽や体に模様をつけてもらうことにしました。
奇想天外な発想があちこちに生まれました。面白かったのは、テーブルごとにアイデアや方法が自然とシェアされていたこと。
グルーガンを多用するグループ、昆虫標本にえさを入れるグループ。。
他の子がやっているのが良い刺激になって、そうやってまねっこしたり、展開させたりして発想って変容していくんだなって思いました。
そして子どもだけでなく、大人も真剣に制作を楽しんでいたり。。
親子で協力しながらつくっている風景が、楽しそう。
そして、みんなで作った作品をブラックライトで鑑賞しました。
このワークショップは写真家の香川賢志さんにすべて写真を撮っていただいたのですが、本当に素敵な瞬間をたくさん捉えてもらいました。
最後にはみんなの作品を集合させて、梯子の上からパチリ。
修復の要素を取り入れたワークショップは、コンサベーションを知ってもらいたいという思いでやっています。あまり知られていない保存修復の分野、日本では博物館や美術館でのコンサバターのポジションも、その職に就く人もとても少ないです。
でもとっても面白い要素がたくさんあって、コンサバターの仕事って、結構味わい深いと思うのです。
話して伝える代わりに、コンサベーションをざっくり紹介するリーフレットを、グラフィックレコーダーのヤマダマナミさんに、可愛いイラストで作ってもらいました。
最後に記念撮影:)
ご参加いただいた皆さま、ご協力いただいた皆さま、本当にどうもありがとうございました!
©2023 Photographed by Kenji Kagawa
香川賢志さん(写真家) https://kenjikagawa.com/
アトリエアルケミスト http://atelier-alchemist.net/
ヤマダマナミさん(グラレコ)https://www.instagram.com/yamada_graphic/
共催:和光大学ポプリホール鶴川 https://www.m-shimin-hall.jp/tsurukawa/